いつも大変お世話になっております。おかげさまで、第186回通常国会も無事乗り切ることができました。

 先の国会では、戦後3番目に早いスピードでのH26当初予算の成立をはじめ、法案の成立率も97%超を実現する等、自民・公明の連立政権に力を与えて頂き、ねじれを解消させて頂いた賜物と厚く感謝申し上げます。
 私といたしましても、所属の農林水産委員会で4回、決算委員会で1回の質問の機会を得るとともに、デフレ脱却と財政再建に関する調査会では質問2回、意見発表1回と、充実した国会活動を送ることができました。
 特に、参議院の1年生議員として総理への質問の機会を最初に得ることができたのは、貴重な経験になりました。
 今回の農政改革のように、ともすると、政府が設置する有識者会議では、東京目線で市場原理主義の議論がなされ、現場の実態を踏まえないまま、非効率な地方を切り捨てようとする改革が様々なところで提言されますが、総理に対し、改革や成長、競争力の強化は必要としても、現場のやる気と協力がなければ、改革は前に進まないことを申し入れることができ、現場の実態を踏まえた与党の意見を尊重して頂けたことはよかったと思います。
 また、増田寛也元総務大臣(元岩手県知事、現野村総合研究所顧問)による、2040年には900弱の市町村で消滅の危機があるとの衝撃的なレポートに注目が集まり、政府としても地方創生に本腰を入れることになったのも、大変よかったと思います。第2次ベビーブーム世代が今年から全員40歳以上になることや、今後10年で団塊の世代が全員75歳以上となる中、30年後の深刻な人口減少社会を考えると、本当の意味で、この10年間が地方再生、日本再生を図る上でラストチャンスになると思います。
 今後も年末にかけて、集団的自衛権を含む安全保障問題のほか、来年度予算や消費税率、法人税率の取扱い等々、多くの課題が山積していますが、初心を忘れず、地方再生を第一に、農林水産業の振興をはじめ、東京一極集中の是正や人口減少問題等の解決に向けて、微力を尽くして参ります。
なお、最後に、参議院選挙制度改革について一言触れたいと思います。現在、鳥取県と島根県をはじめ、幾つかの県を「合区」して一票の較差の解消を図る動きがあります。違憲判決を避けるため、小規模県の国会議員を減らして大規模県の国会議員を増やすという、人口のみの基準で較差を解消する仕組みは単なる数合わせの理念しかなく、それがために、現行の都道府県単位での政治・経済・行政等の様々な意見集約を図るシステムを壊すことは不適切と考えます。
 未だ中央集権の下、経済力も財政力も弱い地方の人口減少が深刻化する中で、国の力を一層必要としている地方の声を切り捨てるようなことがあってはならないと思います。東京の繁栄は、地方の豊かな人、自然、食のおかげであることを忘れてはなりません。
 大都市圏の国会議員が、地方重視の政策を行って頂けるのであればまだ納得できますが、残念ながらそうした姿勢はあまりみられません。大都市優先の効率性・競争性を重視する政治が大勢を占めれば、それらになじまない地方は衰退の一途をたどるでしょう。そのような悲しい事態が起こらないようにするためにも、憲法改正して都道府県単位の選挙区をきちんと位置づけることが必要と考えています。一方で、法律上は、2年後の選挙までの間に何らかの改革をしなければならないことになっている関係上、憲法改正までの間の繋ぎの制度を早急に作る必要があります。こうした状況下ではありますが、拙速、性急な議論にならないよう、この際しっかりと参議院の役割を議論し、人口比例を原則とする衆議院との差別化を図り、地方の人口減少社会や国の将来を議論する上で立法府はどうあるべきか等を考えながら選挙制度改革にあたりたいと考えております。
 おわりに、日頃の皆様の温かいご支援、ご協力に改めて感謝申し上げますとともに、皆様の益々のご健勝、ご多幸をお祈り申し上げます。今後とも変わらぬご厚誼のほど、何卒よろしくお願い致します。



                          平成26年7月吉日 
                          参議院議員(鳥取県選挙区) 舞立 昇治


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